逃げるは恥だが役に立つ
皆さんは逃げ恥観ましたか。
私は5日間で11話全部観ました。TBSオンデマンドで登録すると最初の2週間無料とききつけて登録(したのは妻だけど)。普段からTVは観ない二人なので、始めの2話を観た日は刺激が強すぎるのか二人して寝付けませんでした。 最終話はティーバで無料で観れました。
マンガも8巻まで買って(買ったの妻だけど)読みました。
なんかこう状況が自分たちに被る部分が多かったので大いに感情移入しちゃって「わかるー!」を連発しつつ、二人でみていたわけです。
私は風見さんが好きです。
ああいう風になりたい。「僕は性格が悪いんです」とか言ってみたい。「すいません。」って笑顔で言うの、ズルい。正直で率直かつ相手の気持を気遣える。そこにシビれるあこがれる。
「イケメン」という偏見によって傷ついてきたキャラというのもいい。「イケメン」っていう言葉はもはや褒め言葉ではないしただの偏見・レッテルなんですよね。「イクメン」もそう。私は「イクメン」と呼ばれるのを嫌います。そのうちどちらの言葉も良いイメージはなくなっていって消えていくのではないでしょうか。
閑話休題。作者によると、作品テーマが恋愛と仕事の境目を描くとかそういう感じらしく、うまく現代の夫婦間での問題を表しているなと思います。
逃げ恥追いついた。土曜から一気に最終話まで
— 家事が遅い (@_ksss_) December 21, 2016
今の生活も、いくらでも見方を変えることができる。そう思える作品でした。
— 家事が遅い (@_ksss_) December 21, 2016
この世界の片隅に
映画「この世界の片隅に」も観たんですけど、観るとあの時代はすさまじく女性の扱いが酷いことがわかります。
ひたすら家事をし続ける労働力として見ず知らずの男性の元に嫁ぐ。それが当然とされる時代。*1
そういう時代がたった70年前、私達が住んでいる社会で実際に起こっていて、今も引きずり続けている。
そんな70年前からじわりと社会は成長してきて、色んな人が社会を変えようとがんばってがんばって、ようやく逃げ恥の世界ぐらいまでにはなってきたわけです。*2
二人で自分の家を会社に見立て、共同経営責任者として目標を達成していく。 その目標は「子供をまっとうに育てる」とか「全員の幸福度を最大化する」とかそんな感じなんですけど。
この世界の片隅に、作品の圧倒的なリアリティのおかげで、あの世界は本気でこの国がやっていたことで、今の社会と地続きなんだということを実感できる
— 家事が遅い (@_ksss_) December 6, 2016
この世界の片隅に、原作が家に届いた
— 家事が遅い (@_ksss_) December 7, 2016
エンゼルバンク
自分自身、この二年と数ヶ月で結婚式をして子供にも恵まれました。
子供も育ち、引っ越し、保育園を探し……。
そうして人生の状況はどんどん変わっていくので、一度システムを見直し、必要に応じて再構築しようと考えました。
「家族にとって自分ができることは何か」
これを考え続け、人生における優先順位を洗い出しました。
何が大切なのか、何が大切でないのか。その優先度にマッチした理想の環境とは何か。
まず3つの選択肢を考えました。
- このまま今の会社に残る
- 会社員として転職する
- フリーランスになる
2.と3.について考えるため、この数ヶ月間色んな人に会いました。
話していくほどに自分の考えがブラッシュアップされていくのを感じました。
そうして考えていく内に、優先順位の変更が発生するわけです。
優先される環境に対する指標として、以下の3つを打ち出しました。
- 給料
- リモートワーク
- 一緒に働く人
給料
シンプルな話、月給の大小です。ある程度の汎用的で認められた能力を持っている自分*3が家族にできる最大限の貢献は、継続的な現金収入であると考えるからです。
個人の給料は、会社のステージ・予算・景気など、様々な要素が絡み合っており、個人の能力だけで決定されるものではありません。 もし私という商品を、もっと高く買ってくれる環境があるなら考慮し選択する。それが家族のためにもなると考えました。
リモートワーク
この2年間で、いかにリモートワークが家族に貢献するかを実感してきました。
これを手放すと、生活環境が大きく変わり、家族にとってマイナスです。
できるだけリモートワークができることを条件として考えました。
いろいろな会社に話を聞いていくと、以下の3パターンの会社に出会いました。
- リモートを一切やっていない
- 週1〜2くらいでリモートをやっている。それ以上は難しい
- 週4〜5リモートでも問題ない
現状は3.です。2.でも許容範囲ですが、他のパラメーターとのバランスも重要です。 極端な話、年収2千万なら1.でもいいわけです。
話を聞いていると、意外と3.は少なく、1.が多い、2.もままある。という印象でした。
いくら他の条件が良くても、この条件によって断念せざるを得ないケースもあり、かなり悩まされました。
一緒に働く人
最初は「仕事の内容がおもしろいか」ぐらいのフワッとした考えだったのですが、 ある人に
「貴方に足りないのは『人』ですよ。」
と言われました。『人』に興味を持って、自分から話しかけたりしているか。それが足りないと。
そうやって考えている内に「重要なのは、仕事内容より人だな」と思うようになりました。(単純か)
そして、とある会社での面談で私が「尊敬できる人と働きたいです」と言うと、「尊敬できる人ってどんな人ですか?」と聞かれました。
そんなこと、これまで考えたことがなかった。それから自分なりに考えました。
私にとって、どんな人が尊敬できるか、どんな人が魅力的か……。そうか、それは「OSSを書いている人」だ。
という風に考えがブラッシュアップされていきました。
Reproduction
そんなわけで、これらの条件を満たし、 現実的に最善の選択肢を選び直すことにしました。
地道に、時間をかけて、人に会って、話して、色々な道について考えました。
話を聞きに行って、合わなさそうだなと思ってたら相手側から「合わなさそうですね」的な内容が返ってきたこともありました。
普通に面接して普通に落ちたところもありました。
いい話を頂いて、ギリギリまで悩んだ末選ばなかった道もありました。
そうやっていろんな道を検討した結果、一つの会社に転職することに決めました。(入社エントリも別で書きます。)
決 断 完 了
— 家事が遅い (@_ksss_) November 30, 2016
spicelifeはRubyでの仕事未経験だった私をひろっていただきました。
入社したての頃はRailsも触ったことはなかったし、SQLもJOIN禁止環境で育ったので「has_many
ってなんですか?」というレベルでした。
パーフェクトRuby on Railsを買っていただき、端から端までコードを書きつつ読みました。
そうやっていくつかの本を読みました。コードもひたすら書きました。趣味アプリを作ってみたりもしました。
そうやってだましだましやっていく内に、なんとか普通に、いわゆるRailsのお仕事ができるプログラマーとして活躍できるまでになりました。
ここでいったんCMです
ところでつい最近、私がやってきたサービスのリニューアルがあり、これまで1年ぐらいやってきたものの成果をようやく皆様にお届けすることができました。
TMIXはオリジナルデザインのTシャツやトートバッグなんかを作る事ができるサービスです。
しかし、肝心要のデザインを作るエディタは、これまでFlashベースの既存システム使っていました。 Flashを触れる人は既におらず、改善したくてもできない……。ブラウザからは近い将来無効化されそう……。バックグラウンドでもFlashに依存しているのでスケールできない……。
そんな状況を打破すべく、Reactベースのエディタに置き換えるという一大事業がありました。
私はそのAPIサーバーのチームリーダー(と言っても全部で2人、内1人は別チームと兼務)として、技術的に課題になる部分を主に担当しました。
これまでより、より綺麗に、より楽しく。
新しくなったTMIXのエディタで、自分のアイコンのトートバックなんか作ったりしてみてはいかがでしょうか。
Spice up your life
OSSもいくつか書いて、ほとんどは自己満足で終わりましたが、そのうちいくつかはspicelifeのサービスでも使っていますし、別のOSSプロダクトでも使ってもらったりしています。
RubyKaigi2015でLTしたことや、東京Ruby会議11で話したことなんかは、今でも自己紹介として使えるので非常にいい経験になりました。
spicelifeはRubyでの仕事未経験でも、カンファレンスで発表できるくらいに成長できる環境!!!というのは強調しておきたいと思います。
リモートワークにも大変助けられました。おかげさまで子供も一才半まで成長しました。
働きたい気持ちと能力はあるのだけれど、様々な事情で出社するのはできれば減らしたい……。そんな方は是非spicelifeの門戸を叩いてみてはいかがでしょうか。
spicelifeでは特に、『議論』について学んだ気がします。
その前の会社は下っ端エンジニアをやっていただけなので、わりと言われるがままに実装を進めていましたが、少ない人数で何が最善の道か話し合って答えを出すことの面白さと難しさの両方を学びました。
これまでやってきた人たちと、プロダクトの行く末を内側から見れなくなるのはさみしいですが、それは自分で決めたこの変化の代償なのでしょう。
多くのものを学び、もらい、支えていただきました。
本当にありがとうございました。