プログラマが知るべき97のこと / Kevlin Henney
- 作者: 和田卓人,Kevlin Henney,夏目大
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2010/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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81人による107の視点。
本は一人の人間が考え描くことが濃密に語られる事が多いと思うけど、これはなんだかwebの人気記事を次々と読んでいるような感じだった。
最近「これはこういうことなんだ」と思ったすぐ後にそれを打ち壊される経験が続いている気がする。RubyKaigiでは「なんて実力が足りないんだ」と思ったら「こんなに簡単なことを何故やらないんだ」と思わされた。この本では「なんてすごい人が沢山いるんだ」と思ったら「どんなに凄そうな人たちでもみんな最初は何も知らなかったんだ」と言われた。きっと自分はこれでいいんだという答えはなくて、100人いれば100通りの考えがあって、何を選択するでもなく取り込んでいくそういうやり方でしか、今はできないきがする。
良かった話について書こう。「Hello, Worldから始めよう」は「色んな言語のさわりだけはやっとこう」みたいな話かと思いきや、基礎に立ち返ろう。何が起こっているのかその基本の世界はおろそかになりがちだ。という話だった。僕も即「Hello, World」を書いた。オブジェクトファイルがなにかとか、リンクがどういうことかとかがわかった。今は言語を書くことがどういうものか、昔挫折したSchemeをRubyで書く書籍を見つけてやってみている。CRubyへの理解を深めたいからだ。「1万時間の訓練」は分かってはいるけどすごく熱く語られていて、才能だけで届く領域は途中までであって、そこを超えるのはそうなりたいと思ったかどうかでほぼ決まる。そう断言してくれて嬉しかった。「超人の神話」や「ロールプレイングゲーム」は今知っているすごい人たちはどういう道のりを辿ってどう考えているのか、「なんだかすごい」ではなくてどう考えれば同じように考えられるか考えるようになった。どうすればあんなふうになれるのかのぼんやりとした道筋を描こうとするようになった。
何か1つを学んだわけじゃない。経験したというような気がする。ただ手を動かすことができて初めて身にしみるのだと思う。またいつか読み返すことになる。そんな気がする。